よろず夜話

軍事や自衛隊を多めにしつつ色々な話をするブログ。話の正確性は6割ほど、力を抜いた話ができるようにしたいです。アイコンは陸上自衛隊HPより引用

水陸機動団 北海道配備のメリット

ブログを編集画面ではなく、普通の画面で見るとサイズでかいのはとことんでかくて面喰らうことに気づきました。とりあえず、サイズの調整ってどうすればいいんでしょうね?

 

さて、今回はタイトルのように水陸機動団が北海道にくるかも?という話です。

www.sankei.com

配信元の記事では沖縄本島では政府への反発が強いこともあって実現が難しく、理解の得やすい北海道に部隊を置きたいといった感じのものでした。

実は水陸機動団の前身の西部方面普通科連隊でも沖縄に部隊配備の話が出ていましたが、同じように政府への反発が強いと言う事があり実際には長崎の相浦駐屯地に居を構えることになりました。それから20年ほど経ちましたが、状況は大きく好転してはいないといったところでしょうか。そんなこともあって北海道と言う感じでしょう。

 

 

北海道に置くメリットと必要性

北海道への配備は記事にないこと含め色々と良い事があります。

一つ目は演習場と演習部隊の点です。

記事にもあるように演習場が他の地域よりも広く、多く存在するということです。北海道は日本最大の演習場である矢臼別演習場や陸自唯一の浜大樹訓練場、札幌の近くに存在する北海道大演習場など演習場に恵まれています。また、北海道は他の地域と異なり機甲部隊や機械化歩兵が充足されており、札幌を防衛する第七師団は日本で唯一の機甲師団となっております。いずれの部隊も演習の対抗部隊としては近隣諸国の揚陸部隊の機甲部隊役をやるのに的確であると思われます。あまり注目されませんが、ロシアは海軍歩兵にT-80・T-90や、BMP-3のような戦車やIFVが配備されており、中国も15式戦車や11式装輪戦車、05式水陸両用歩兵戦闘車、IFVなどを装備している機械化部隊となっており、このような相手を再現するのに他の地域の部隊では難しい現実があります。

 

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wikipediaより T-90

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wikipediaより 05式水陸両用歩兵戦闘車(ZBD-05)

 

揚陸作戦部隊の機械化は世界最大の揚陸作戦能力のある米海兵隊も高度に機械化されているので、機械化部隊が演習相手を機械化された部隊がするのは特殊なケースではなく、常にありえる脅威に対抗するには大切だと思われます。ちなみに、海兵隊はヘリに恵まれており、今後の近隣諸国の舞台もヘリボン能力を上げていくと思われます。ロシア海軍歩兵なんかがまさにその能力を歩兵の個人能力として求めています。一方、中国は未だにヘリの配備が間に合ってないですがZ-20の配備が状況を変えていくと思われます。実のところ北海道はその部分でも恵まれてまして、旧式のAH-1SやUH-1Jが中心になりますがヘリ部隊が関東以外ではかなり恵まれている方だと思います。北海道はつまるところ、野戦をするには一番良い立地であるということです。

 

二つ目としては、北海道の離島です。あまり意識されませんが北海道は国交省の発表では508もの島が北方領土含めて存在します。ロシアはウクライナ危機で立ち消えしましたがフランスのミストラル級の導入を進め、現在も揚陸艦配備を進め2018年にイワン・グレン級を配備しました。

jp.sputniknews.com

イワン・グレン級の二番艦は太平洋艦隊に配備されることが決定されており、太平洋におけるロシア海軍のプレゼンスが上がると考えてみて間違いないと思われます。それ以外にもロシアは中国よりもヘリ運用能力が高く、北方四島に軍事施設が存在することからも対露関係の悪化によってロシアが行動に出た際に離島が占領される能力的な可能性は高いと言えます。

他にもロシアは自国の内部で不満を持つ少数民族や反政府活動家が存在し、過激派がロシアの主権が及ばない我が国で拠点を持つこと、またはそれを利用したハイブリッド戦略が発生することも考えられます。

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wikipediaより イヴァン・グレン級

北海道には奥尻島含め、離島に住んでいる人がいるのでそこに住む住民の保護の必要性があります。北海道の海は他よりも冷たいので特殊な訓練も必要なのではないかと思われます。北海道に対処できる部隊がいるのは時間が大きな鍵になる現代戦において、事態の早急な対処ができるので大きなアドヴァンテージとなれます。

 

三つ目は地方への支援策です。もともと北海道は自衛隊の部隊が多く存在していましたが、冷戦の崩壊によって自衛隊の規模が縮小され続け、少子化、過疎化なども合間って人口減少が著しい地方には自衛隊は大切な存在となっております。どのくらい重要視されているかというと、町長や議員が上京して陳情するほどです。

6.04.04駐屯地誘致と部隊の移駐

今回の自衛隊増強はそういった自治体にとって要望を叶え、地方の支援、創生に役立つ施策となるわけです。

 

水陸機動団の増強は機動力を高め、最終的には米海兵隊のような緊急展開部隊的な総合部隊になれば非常に扱いやすいものになるとは思いますが、一般部隊がないがしろにされるようなことは避けてほしくはあるなと思います。できることであれば、北海道だけでも総合的な戦力を保持していてほしいと思うところです。

 

 


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