米国がイラン高官を指名手配
もう少し軽い感じの話をしようと毎回思いながら重い話に帰着することがブログ書いてると起きるこの頃、軽い気持ちって案外難しいです。
さて、今回は米国国務省がイランの革命防衛隊の高官アヴドゥル・レザ・シャーライ氏の確保・殺害のために1500万ドルを出すとのことを発表しました。
アヴドゥル氏はどんな人なのか?
このシャーライ氏はイラン革命防衛隊に所属し、現在のところイエメンで活動しているコッズ部隊、またの名をゴドス軍の司令官です。ゴッズ部隊は世界各国への通信傍受に破壊工作、民兵に対しての軍事訓練を行なっています。過去にはタリバンとの関係が疑われたり、日本でも筑波大学教授の殺害を行なった声明を出すなどの影響を与えています。他にはベイルートの米海兵隊の宿舎爆破にも関係しているとされます。最近ではイスラム国とイラクの戦闘においてイラク側に着いて戦闘を行なっております。
何をした人なのか?
シャーライ氏は2007年に有志連合の司令部に対してテロ行為を行い、アメリカ兵5名殺害した作戦の計画を行なったとされています。また、長年に渡って同氏は米国とその同盟国への攻撃計画を練っていたことも指摘されています。他には武器・爆発物をシーア派過激派へ提供するなどをし、シャーライ氏に限らないコッズ部隊による米軍の被害は200名にも昇るのではないかと疑われています。
所見
米国のイランへの圧力はトランプ政権になってから再び強くなり、過去に行われた事件への指名手配など締め付けが厳しくなっていってます。一方でシリア・イラクでの戦闘に加えてアフガニスタンへイスラム国が進出し始めている現状で下手にイランの影響力を下げてしまうと中東の平和への道筋が遠のくのではないかと不安になる部分があります。しかしながら、現在イラクではイランの影響が大きくなりすぎて政情が不安定になるなどの弊害も出てきています。イランは中東地域での大きなプレイヤーであることから和平プロセスでも大きな役割を期待でき、昨今では安定化のために艦艇派遣が決定している日本としては今後の動向に注目です。