よろず夜話

軍事や自衛隊を多めにしつつ色々な話をするブログ。話の正確性は6割ほど、力を抜いた話ができるようにしたいです。アイコンは陸上自衛隊HPより引用

河野防衛大臣 自衛隊のパワハラ対策を厳格化へ

すっかりコロナウイルスの話題が巷に溢れることになりましたが、書きたいことはあるものの知識が全くその分野はないので法律読んでテキトーすぎることを言うのは避けたいなと思います。まぁ、ざっくり言いますと行政もやれることは現行法ではかなり限界がありますよーと言うお話です。

 

さて、本題になりますが河野防衛大臣自衛隊パワハラの処罰規定を厳罰化し、またパワハラの基準の見直しを行うとされました。

www3.nhk.or.jp

 

現在の自衛隊のいじめ・パワハラはいくつか本にでるほどであり、直接の関係がある訳ではないですが自殺率も国の機関の中でも特に高いものになっていました。公務員自体が自殺に陥りやすい職業であるにも関わらず、その平均よりもはるかに高いと言う事態になってしまいました。

 

現在の就職においてパワハラが横行するのはそれだけで選択肢から外れる状況になりかねないほどのマイナスな存在となっています。具体的な詳細は記事の方を見ていただけると嬉しいですが、全体的に処罰の謹慎期間が長くなることになりました。

自衛隊は中の人がどう思うかは分かりませんが、一般の人からするとやはり厳しいイメージが付き纏う状況で、その改善を計るための動画を作成するなど自衛隊のイメージ刷新を行う活動をしていました。

 

この手の話でよく出てくる反論としては軍隊は命が関わるから厳しいのは当たり前、パワハラはあっても仕方ないと言う意見です。

確かに軍事組織は命のやりとりをするもので時には厳しさも必要ではあります。しかし、それがパワハラをしても良いと言う話には繋がらないと思います。欧州を中心とした他国では軍事オンブズマン制度が存在し、いじめやパワハラに対してオンブズマンが機密情報含めたものを全て見れるほどの権力を持ち、軍人の待遇の改善やいじめ防止を努めています。この制度を採用している国はロシア・ドイツ含め多くの国が採用しています。軍隊であっても現在の潮流としては厳しくてもしょうがないと言うことはありません。戦前の日本でも一時期ダルトン式教育法が採用され、その当時にしては画期的で体罰がない教育方針でした。その教育制度の成果は新たな戦術が採用されたりと日本軍の革新を進めることができました。

勘違いされる方がいますが理由がしっかりあり道理として合理性があるものはパワハラにはなりません。遅刻グセの人を叱るなどがその一例です。それとパワハラ・いじめは別です。

 

なぜか戦前・体育会系の悪い部分を賛美される方がいますが、不要な叱責は個人の能力を下げる結果になり組織に脆弱性を作ることになります。命のやりとりをする、下手をすればみんな死ぬ可能性がある組織でわざわざ個人の能力を下げることをやる合理性が見られません。

ブラック企業が問題になっている世相の中でいじめ・パワハラ・自殺がたくさんでる組織の存在をなくすように努めている時にパワハラを寛容する組織があるのは問題と考えます。現状、米軍でもオンブズマン制度を持つなど過ごしやすい組織作りをしている状況で、日本だけがいつまでも緩い対策をしている現状では組織はなりたてないでしょうし、パワハラがなくても強い組織になれるならそれに越したことはないでしょうか。

 

 

 

おさえておきたい パワハラ裁判例85

おさえておきたい パワハラ裁判例85

  • 作者:君嶋 護男
  • 発売日: 2017/04/20
  • メディア: 単行本